りっくまのお便り投稿シリーズJira編12 : 承認プロセス ワークフローを設定したいクマ!

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南澤 華代Hanayo Minamisawa

南澤 華代

こんにちは。リックソフト ヘルプデスク担当の南澤です。

今回も リックソフトブログで一番人気?!のりっくまのお便り投稿シリーズ をお送りします。
このシリーズは、技術知識があまりなく、Jira初心者の新米プロジェクトリーダーのりっくまくんが、弊社ヘルプデスクへ悩みを相談しながら成長していく物語です。

今回は、りっくまくんからヘルプデスクにこんなお便りが届きました。

熊語が多いので、りっくまさんの質問を言い換えると、「承認プロセスを含んだワークフローを作りたい」ということですね。
今回は、途中で承認処理をするようなワークフローを作成する方法を紹介します。

ワークフローの構想を練る

承認ワークフローで利用するステータスや、承認できるメンバーをざっくりと決めてみましょう。

ワークフローは以下のように構成してみます。
備品購入までの流れは、Jira課題を作成する(OPEN)→承認者へ購入の承認を依頼する(承認依頼中)→ 承認者が内容を確認する(レビュー中)→ 承認者が購入を承認する (承認済) → 購入担当者が購入を手配する (購入処理中) → 備品を納品する (納品完了) とします。 承認を依頼時(「OPEN」→「承認依頼中」)に、購入希望者が、承認者を指定します。 また、「承認依頼中」 「レビュー中」、「レビュー中」「承認済」(逆向きも)のトランジション を 承認権限がある人 にしかできないようにします。

途中でキャンセルできるようにキャンセル用のステータスも追加しておきます。また、誤ってステータスを変更した時やレビュー差し戻しに備えて逆向きのトランジション (←) も設定しておきます。

逆向きのトランジション (←) も設定

設定手順

それでは、実際にJiraで承認プロセスの設定をしてみましょう。

課題タイプを作成・ワークフローと関連づける

購入金額が3万円以上の場合に承認プロセスで進めていく方法ですが、今回は難しいことを考えずに、3万円以上の備品購入の場合は、依頼者が「備品購入依頼(3万以上)」という課題タイプを選択して課題を作成すると、承認プロセスのワークフローで進められるようにします。

備品購入プロジェクトで利用する課題タイプは以下の通り。

課題タイプ

備品購入プロジェクトのワークフロースキームで、承認プロセスのワークフロー(今回は「PURCHASE:Approved workflow」)と課題タイプ「備品購入依頼(3万以上)」を関連づけます。

ワークフロースキーム

フィールド「承認担当」を追加する

承認者を指定する単一ユーザーピッカータイプのカスタムフィールド「承認担当」を作ります。
カスタムフィールドの「構成」より、ユーザーピッカーで表示するユーザー候補の範囲を絞り込むことができます。

フィールド「承認担当」を追加

今回はプロジェクトロールが「承認者」ロールになっているユーザーを選択候補の範囲にします。
これにより、該当のプロジェクトの「承認者」ロールに所属するユーザだけを、承認担当として指定できます。

フィールド「承認担当」を追加

承認依頼用の画面を作る

承認依頼をするときに、承認担当を指定できる画面を作ります。
上記で作成したカスタムフィールド「承認担当」を承認依頼用の画面に追加します。

承認依頼用の画面を作る

承認者への通知イベントを作成する

承認依頼時(「OPEN」→「承認依頼中」)に、承認担当へ通知メールが送信されるように設定する準備をします。
Jira管理画面 > システム > イベントで、承認担当への通知イベントを作成します。

承認者への通知イベントを作成

プロジェクトの通知スキームに「承認依頼」イベントを追加し、通知対象として「承認担当」フィールドの人を含めます。

「承認担当」フィールドの人を含めます

のちほど、次のセクション「ワークフロートランジションを設定する」で、このイベントをワークフローに適用させます。

ワークフロートランジションを設定する

承認担当だけがトランジションできるように条件設定

「ワークフローの構想を練る」セクション のワークフロー図で、「承認依頼中」「レビュー中」と「レビュー中」「承認済」のトランジション (逆も)の実行を 承認権限を持つ人 (今回は、プロジェクトの「承認者」ロールに所属するユーザー) に限定する設定をします。

例として、ワークフローの編集画面で、「レビュー中」 → 「承認済」のトランジションの設定を説明します。
トランジションの「条件」タブで、トランジションできる人として、プロジェクトの「承認者」ロールを設定します。

プロジェクトの「承認者」ロールを設定

承認依頼時に承認担当を指定する画面を設定

承認を依頼するとき(「オープン」「承認依頼中」へのトランジション時)に、「承認依頼用の画面を作る」セクションで作成した承認担当を選択する画面を表示できるように 「画面」を追加します。

「画面」を追加

承認依頼時に承認担当へ通知する設定

承認を依頼した後(「オープン」 → 「承認依頼中」へのトランジション後)に、承認担当へメール通知するイベントを実行する設定を「事後操作」に追加します。

「事後操作」に追加

実際に承認操作をしてみる

ひらっくまくん。りっくまが、備品購入プロジェクトで高い買い物を承認してもらうプロセスを実際にみてみましょう。
ひらっくまくんが、備品購入依頼の課題を作成します。

備品購入依頼の課題を作成

課題が作成されました。続けて「承認依頼」ボタンを押します。

「承認依頼」ボタン

今回は、部長くまさんに承認を依頼します。承認担当を指定して承認依頼を押します。

承認依頼を押します

ステータスが「オープン」から「承認依頼中」へ変わり、ひらっくまくんが課題を見ると、次の段階の「レビューへ」には進めなくなりました。

ステータス

つづけて、承認担当の部長くまさんの登場です。りっくま
部長くまさんが承認依頼のメールを受け取りました。
部長くまさんは、プロジェクトの承認者ロールのメンバーのため、次のステータス「レビュー中」へ進むことができます。
課題へアクセスしてレビューを開始します。

レビューを開始

部長くまさんが高額品の購入を承認するか決めます。
りっくま
(さんじゅうまんえんか・・・高額だクマ・・・ ひらっくまくんが使う価値はあるクマかね・・・ うーん )
今回は・・・「承認」します! 「承認」をポチッ。

「承認」をポチ

ステータスが「承認済」へ変わりました。

「承認済」

それから、購入処理に進み、ひらっくまくんは、めでたくパソコンを手に入れたのでした。
りっくま やったくまーーー!

リックマさん、こんな回答でいかがでしょうか?

ワークフローもなかなか奥深い世界です。Jiraでできることを理解して、ワークフローを組み立てて業務の向上に役立てましょう。
ただ、便利な反面、トランジションの条件を一人だけにする等、権限をがちがちに決めてしまったり、もとに戻ることができないトランジションを誤って設定したりすると、業務が回らなくなるリスクもあるので、十分にテスト環境で検証してから、本番へ適用するようにお願いします。

30日間の評価ライセンスも発行できますので、是非ご活用ください!

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