Author
山本 敏裕Toshihiro Yamamoto

僕はイナズマ線でプロジェクトの進捗管理をしているんだけど、今さらな質問があるんだクマ。
僕はWBSガントチャートの進捗率は手入力しているんだクマけど、これって自動で入力はできないクマかね。
たとえば、他の何かをトリガーにして進捗率が自動で入力されるとか、他のフィールドを使ってその値が変更されたら進捗率も自動で変更されるとか。。。なんだか手動で入力する進捗率って本当の進捗率じゃない気がしてきたクマよ。なんかもっと数値化する方法があると思ったクマね。
まだまだ知らない機能がいっぱいありそうだったクマから、問い合わせさせていただいたクマよ~。
今回もよろしっクマでお願いしますクマ~!?
りっくまさん、今回もお問合せくださり、ありがとうございます。回答させていただきます。
進捗率は割と難しいフィールドなので、使うまでが大変です。ただ、使ってみるとかなり使える仕組みになっています。おっしゃるとおり、手入力だと誤魔化して入力する人もいるかもしれませんね。WBSガントチャートの進捗率には手入力以外にも自動入力モードがありますので紹介させていただきます。
あっ、でもその前に、クマ語が多いので人間語に翻訳すると
- 進捗率の使い方を知りたい
それでは、WBSガントチャートの進捗率の仕組みと使い方について紹介させていただきます。
1.基本的な入力方法
ガントの進捗率の項目をクリックすると編集状態になり、進捗率を入力することができます。
数値を入力するか、右端の上下アイコンをクリックして入力します。
このとき、子タスクの進捗率を親タスクの進捗率へ連動させたいといったことがあります。例えば子タスクが2つある親タスクがあったとします。子タスクの1つが進捗率は20%、もう1つの子タスクの進捗率が10%だったら、親タスクの進捗率は15%となります。これを自動計算して親タスクの進捗率へ入力する仕組みを「進捗率を自動計算」機能といいます。
この機能は期間も考慮して適切な進捗率を計算してくれます。例えば下図のような場合です。
「進捗率を自動計算」機能はガントの「ユーザー設定」から行います。右上にある歯車アイコンをクリックし「ユーザー設定を編集」をクリックすると「ユーザー設定」画面が表示されます。
この機能が設定されていないと親タスクも手動で入力することになります。親タスクと子タスクの進捗率を同期させたい場合は「進捗率を自動計算」機能をONに設定してください。このとき、ガント上で子タスクの進捗率を更新した場合に親タスクの進捗率に反映されることにご注意ください。設定をONにするだけでは変わりません。
2.進捗率の自動計算
自動計算には2つの方法があります。1つはJiraが標準でもっている時間管理機能を使って自動計算させる方法。もう1つはフィールドを指定し自動計算させる方法です。それぞれについて紹介させていただきます。
2-1.時間管理機能を使った自動計算
Jiraの時間管理機能では、初期見積を設定し作業記録を行い残余見積を算出します。最終的に残余見積がゼロになるとその作業は終了となります。WBSガントチャートでもこのロジックに従い、進捗率は下記の計算式で算出します。
- 記録済み時間 /(記録済み時間 + 残余見積) 100 [%]
下図のとおり作業記録を行います。時間管理のフィールドを見ると、初期見積が40時間、記録済みの時間が8時間、残余見積が32時間となっています。
上記の計算式に当てはめると 8 / ( 8 + 32 ) × 100 = 20 %となります。
ガントの進捗率を確認するとこちらも20%になっているのが確認できます。
この設定は、ガント画面右上の歯車アイコンから「このガントの設定を開く」から「チケット」を選択します。
「時間管理から自動計算」を選択し「更新」をクリックします。これで時間管理を使った進捗率の自動計算の設定は終了となります。
時間管理を使った方法は、作業にどれだけの工数がかかったかも把握することができ、レポート作成やふりかえりなどにも使えるので有効な手段となります。
2-2.指定フィールドによる自動計算
指定フィールドによる自動計算は、分母と分子に該当するカスタムフィールドに値を入力し、進捗率を自動計算する方法です。使用する場面としては、あるノルマが決まっている作業などに適しています。例えば、テストの項目が100個あった時に50個が終わったら進捗率50%といったような場面です。下図の例ではドキュメント作成で、全部で50個作成するところを40個作成したときの進捗率を計算させてみます。
ガントで確認すると、下記のように ( 40 / 50 ) × 100で80%になっているのが確認できます。
設定方法は、「指定フィールドから自動計算」を選択し、分子と分母にそれぞれ該当するフィールドを選択し「更新」をクリックします。これで指定フィールドを使った進捗率の自動計算の設定は終了となります。
3.補足情報
WBSガントチャートの進捗率には下記に示すように、もう少し機能がありますので紹介させていただきます。
- 各課題タイプごとに設定が可能
- 解決済みにすると、進捗率を100%にする
- 再オープンすると、 進捗率を0%にする
進捗率は課題タイプごとに設定することが可能です。
例えば、ドキュメントなどを作成する作業は課題タイプをタスクで管理していて、作成したページ数などで管理しているといった場合には指定フィールドによる自動計算を使い、課題タイプがバグの作業はEVMなどの工数管理に使いたいので時間管理による自動計算を使用するといったように進捗率の自動計算を使い分けることができます。
Jiraの解決状況に値が入ると、Jiraはその課題が完了したと認識します。そのため課題が完了するとWBSガントチャートでは進捗率を100%となります。また、完了した課題が再オープンされると進捗率を0%にします。このような設定をすることができます。
ただし、進捗率が100%になったら課題のステータスを完了にするといったことはできませんのでご注意ください。
上記の設定は、いずれもグローバル設定の「チケット設定」から行いますので、管理者権限がないと行えません。
進捗率を手動で入力する場合、人によって基準が異なりますのでバラバラな進捗になってしまうことがあるかもしれません。他の値を使って進捗率を算出すると、より公平で透明な管理になるかもしれません。運用次第にはなりますが、使う人の環境で一番適切な方法を選択していただけたらと思います。
進捗率の視覚化については、以前紹介したイナズマ線のブログをご参考ください。
りっくまのお便り投稿シリーズWBSガントチャート編7:進捗状況を視覚化したいクマ~!りっくまさん、このような回答でいかがですか。作業が多いと手入力では管理が煩雑になるかもしれませんので、適用できそうでしたら進捗率の自動計算もお試しください。
また何かお困りのことがございましたらお問い合わせください。
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